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SSPEとは  

PANENCEPHALITIS の頭文字を並べた、この病気の略式の名で、0、1,2歳ころに麻疹にかかった子どもの中から、平均10年の潜伏期間の後、脳炎を発症する非常に稀な病気です。元気で育った子どもが突然、ふさぎ込んだり、字が書けなくなったりしたかと思っていると、みるみるうちに転んだり、けいれんが起きたりして受診し、確定診断がつくと、『2年から5年で死亡、予後不良』と聞かされ、子ども自身はもちろん親や兄弟たちも生活が一変します。発症時の混乱期を過ぎると、在宅でのケアや、特別支援学校卒業後の行先など、悩みも多岐にわたっています。このホームページは、そういった、発症直後の親御さんや医療関係者に患児たちの様子や、在宅・療養年数の長くなった子どもたちの状況を伝え、お互いに情報交換することを目的としています。

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発症時の様子

子どもによって、それぞれではありますが、共通点もあります。病気に気付いたきっかけとして、精神面の異常としては、学校の成績が落ちる、注意力、集中力が低下する、性格が変わったり、何でも嫌がったり(拒絶)、自分の殻に閉じこもったり(自閉)する傾向が出ます。また、ものがうまく言えなかったり口数が少なくなります。尿失禁をしたりする事もあります。運動能力、動作面の異常としては、発作的に全身が痙攣したり(発作)、急に体の力が抜ける(脱力)ようなことが起こります。また字が下手になったり、動作が鈍くなる、片側の手足がきかなくなるようなことも起こります。親たちの間では『あの時、字が書けなくなったのは病気のせいだったのに、ふざけていると思って叱ってしまった、それをとても後悔している』という話もよく出ます。

 
医療・治療

(1)診断時:SSPEは大変希な病気ですので、診断はとても難しいといわれています。はじめはてんかんや精神疾患と診断されて治療を受けていても改善せず、別な病気を疑われてSSPEと診断がつくこともあります。SSPEと診断されると、予後不良、半年から5年の命、と説明され、親たちは混乱状態に陥ります。インターネットが普及していない時台には病気や治療についての情報集めが非常に困難でしたが、現在ではインターネットによりいろいろな情報が集められます。しかし、具体的な当事者ならではの情報が得られる、親の会「SSPE青空の会」は非常に重要な役割を果たしていると思っています。

(2)治療:抗ウィルス薬として、イノシンプラノベクス(イソプリノシン)、インターフェロンが主な治療で、その他に痙攣対策などの投薬を受けます。リバビリンが使われる例もあります。その他に、TRH療法受けている子どももいます。

(3)症状が進んで、飲み込みが難しくなると、誤嚥による肺炎も多くなり、気管切開の検討の話が出ます。親たちとしては、声を失う手術の為、非常に悩みますが、手術後吸引回数が劇的に減って、子ども自身が楽になって安心することがほとんどです。

(4)胃ろう:飲み込みが難しくなると、胃ろうも検討し始めます。子どもの体に傷つけることや通常の食事が摂れなくなるのではという思いから、とても悩みますが、胃ろうからミキサー食を食べさせることもできるし、何より、鼻腔栄養による不快感から解放されて子ども自身が楽かと思います。

(5)排泄:オムツを使っている子が多いですが、排尿・排便障害があると、導尿・浣腸などの処置が必要になります。

生活
(1) 居場所:発症時から、初期の治療の頃までは当然入院しての治療となりますが、症状が落ちついたり、治療の回数が固定化したりして通院での治療が可能になると、退院が可能になります。 (2) 移動:かなり早い時期に起立姿勢を取ることが困難になり、首も座らなくなることが多いので、車いすでの生活となり、車いすのまま乗車できる車に買い替えることになります。タクシーやレンタカーの利用の例もあります。


(3)食事:口から食べられる間は出来るだけ口から食べさせたいというのが親の思いです。はじめは普通食を食べられますが、だんだんミキサー食となり、嚥下障害がおきると、鼻腔栄養となります。胃ろうにしている子も多いです。

(4)排泄:排尿障害がおき、おむつ又は導尿が必要になってきます。

(5)入浴:子どもの体の大きさや状態により、介護用品を使ったり親が抱えたりして自宅で入浴しているケースや、リフトを使っているケース、施設での入浴や入浴サービスの利用など、さまざまです。

(6)介護者:かなりの重症度の高い子どもの介護なので、親のどちらかが仕事を辞めることが多いです。祖父母に手伝ってもらって母親が仕事を辞めないケースもあります。

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医療福祉支援体制
(1)小児慢性特定疾患治療研究事業(小慢)
この制度は、小児の慢性疾患のうち特定の疾患について、治療の確立と普及を図るとともに医療費の自己負担分を助成するもので、SSPE(亜急性硬化性全脳炎)も対象疾患に指定されています。対象年齢は18歳未満で、18歳の時点で引き続き治療が必要だと認められる場合、20歳未満まで延長されます。手続きや詳細はお住まいの地域を管轄する保険所・市役所等の担当部局にお問い合せください。また厚生労働省の下記のサイトからも、詳細情報を見ることができます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000078973.html
(2)育成医療
この制度は、18歳未満で、体に障害を持っていたり今かかっている病気をそのままにしておくと体に障害が残る可能性があり、手術等によって障害の改善が見込まれる場合が対象になります。対象となる障害の程度や所得などに一定の決まりがありますので、詳細はお住まいの地域を管轄する保険所・市役所等の担当部局にお問い合せください。
(3)厚生医療
この制度は、身体障害者手帳を所持する18歳以上の障害者の方の障害を除去または軽減して日常生活能力や職業能力を回復または獲得することを目的とした医療です。対象となる治療法や所得などに一定の決まりがありますので、詳しくは市役所等の担当部局にお問い合せください。 ※育成医療・更生医療は、ともに障害者自立支援法に基づく制度です。厚生労働省の次のサイトから詳細を見ることができますので、ご参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsushienhou04/
(4)高額療養費給付制度
この制度は、1ヶ月(毎月1日から末日まで)の医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される制度です。ただし、この制度の対象となる医療費には差額ベッド代や食事療養費などは含まれません。また治療期間や所得などによって自己負担限度額に違いがありますので、詳細は職場や役所などの医療保険担当者にお問い合せください。
※このほか、都道府県や市町村などで独自に医療費関係の助成を行っている場合がありますので、担当部局に問い合わせてみられてはいかがでしょうか。
(5)難病指定
(6)自治体による医療費時補助
(7)福祉制度:身体障碍者手帳
ほとんどの子どもが1級障害と認定されています。税金の控除や減免、JR等の運賃割引、医療費の助成(各自治体により違いあり)などのサービスを受けることができます。
(8)学校・通所施設
会員の子どもたちは、発症後、普通小中高等学校から特別支援学校に転校する子がほとんどです。特別支援学校では、医療的ケアの必要があり、以前は親が同行する必要があることがほとんどでしたがだんだん医療的ケアを実施している学校も増えてきました。高等学校を卒業した後は、通所施設や、作業所、○○などに通うことが多いです。入院や、重症心身障碍児施設などに入所している子どももたくさんいます。
(9)訪問看護・訪問介護
(10)入所施設
SSPE青空の会の活動
(1)会報発行
(2)総会
(3)サマーキャンプ
SSPE青空の会では、毎年夏にサマーキャンプを開催しています。普段旅行に出かけることはなかなか難しい子どもたちですが、サマーキャンプでは、医療関係者(ドクターやナース)や、特別支援学校の先生など専門家の支援の下、安心して旅行を楽しむことが出来ます。情報交換もサマーキャンプの大事なテーマです。治療情報が一番の関心事ですが、その他に、生活面、例えば車椅子ごと乗れる車のあれこれや、レンタカー、車椅子の工夫、食事や排せつ、学校や通所施設の情報などについて、情報を交換します。普段はなかなか入れない、大浴場での入浴も大きな楽しみの一つです。兄弟児たちのケアも親たちの悩み事ですが、サマーキャンプは兄弟姉妹たちに、楽しむ機会や共感を得る機会を与えてくれます。
(4)母の会
(5)その他
私たちは、麻疹(はしか)の予防接種を受けてほしいと訴えています。
私たちは、麻疹(はしか)の予防接種を受けてほしいと訴えています。SSPE(亜急性硬化性全脳炎)は、治すことは出来ませんが、無くすことは出来る難病だからです。まだ予防接種を受けられない年齢の赤ちゃんが麻しん(はしか)にかからない為には地域に麻疹(はしか)が流行していないことが必要です。幸い日本は2015年にWHOから麻しん排除認定を受けましたが、まだ、海外からの麻疹が持ち込まれることがあります。2017年の麻疹患者は186人でした。
SSPE(亜急性硬化性全脳炎)は麻疹のスローウイルスによる脳炎です。治療法はありませんが、かからせないことは出来ます。それは予防接種前の子どもに麻疹にかからせないことです。それはその地域を麻疹を流行させないことで実現出来ます。SSPE青空の会は麻疹の予防接種を推進しています。SSPE(亜急性硬化性全脳炎)は元気に育っていた子どもが突然精神・運動面に異常が出ることで気付きます。確定診断後、イソプリノシン、インターフェロン、リバビリンなどの抗ウイルス薬や痙攣止めの薬などの治療を開始します。ある程度の入院期間の後、通院で治療が可能になると在宅療養となります。普通校から特別支援学校や今まで通学していた学校の特別支援クラスに転校しますが、通学が難しい場合は、訪問学級に入ることもあります。SSPE亜急性硬化性全脳炎)の子どもたちは医療的ケアが必要な子どもがほとんどです。最近は特別支援学校でも医療的ケア(吸引、経管栄養、導尿など)に対応してくれる事も増えてきました。特別支援学校を卒業した子どもたちは、通所、作業所、などに行っています。家では、訪問看護、訪問介護、訪問リハビリなどの支援を受けながら生活しています。重症度の高い子どもたちなので、入浴ひとつをとっても、家族だけの対応は難しいです。医療費については、小児慢性特定疾患(小慢)又は難病その他自治体ごとに医療・福祉制度は異なりますので、お住いの自治体2お問い合わせください。SSPE青空の会は1998年に始まりました。夏にはサマーキャンプを開催しています。ドクター・ナース他の医療関係者や特別支援学校の先生方や一般のボランティアの方々のサポートの元、普段出来ない旅行、大浴場での入浴、医療情報や介護情報の交換、兄弟児にとっても、急に行けなくなってしまった家族旅行を楽しみ、同じ境遇の他の兄弟たちとの交流もできます。

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